記憶の中のフィンランド

フィンランド留学時代の記憶を元に。アフィリエイトでガッポガポ作戦。

フィンランド人はシャイ気味?

お世話になります。

うう。しまああです。

 

 

私は、仕事以外では、好きか嫌いかで人を見るようにしている。

男とか女とか、先輩とか後輩とか、面倒な括りは、あまり考えないようにしている。私はマナー上、それを気をつけているだけで、私個人はその括りを信仰していないから(上下関係は、信仰の一種だと思ってる。上の人には敬語を使うというルールには、今となっては根拠がないと思う)。仕事ではきちんとわけているつもり、だったのだけど、職場で社長と普通に話していたら、後から周りの1人から苦笑いしながら、「友達じゃないんだから(そんなフランクに話しかけては良くないんじゃないか、というニュアンスを感じた)」と言われたことがある。でも、社長がスピーチ(年始の挨拶とか)するときに、自分がやりたいこと全部詰め込んで話す感じが好きだから、こっちとしては一緒に話したくなるのだ。相手してくれるし。

 

 

私が好きになりやすい人の性格を分類すると、その中に、内気な性格が候補に上がる。仕事では困るかもしれないけど、仲良くなると、良い人が多い気がする。

 

今回は、そんな内気なフィンランド人の話をしようと思う。

 

 

 

 

留学しているときの話だ。

私には、大好きなベルギー人の友人N氏がいた。

私が、それまで知っていたベルギー人といえば、卵型の頭で、口髭を生やし、灰色の脳細胞を自慢する紳士なおじさんくらい(Cf. エルキュール・ポアロ - Wikipedia)だったが、この友人も紳士だった。サンプルは少ないが、今のところ、ベルギー人は大変紳士的である。この友人については、ハンドボールをやっていたことも個人的にポイントが高かった。あのスポーツは少し野蛮で危険な感じだけど、めちゃくちゃカッコいい。惚れてまうがな、というやつである。

 

N氏の紳士っぷりは、私に扉を開けてくれるところから始まる。

男である自分に、ささっと扉を開けて、入り口のところで待っていてくれる素敵な男性なんて、今までいなかった。しかも動作が自然なのだ。恐縮して頭を下げる日々である。

 

もちろん、彼の紳士さはこれだけに止まらない。

 

「英語がわかんないよ〜」

と言って泣きつくと、別の言い方で意味を教えてくれたりする。

 

「学名がわかんないよ〜」

と言って泣きつくと、

ラテン語は、俺たちフランス語圏の人間にとっては、言葉が近いから意味もわかることが結構あるけど、日本人だと大変だよね」

と言って、意味を教えてくれて、覚えやすくしてくれる。

 

「プレゼン緊張してきたよ〜」

と言って泣きつくと、

「大丈夫だ、覚書(メモ)をそのまま読めばいいから!」

そして、発表中は、

「大丈夫! もう少しだから!」

と励ましてくれた。

 

 

N氏は私の救世主である。

時々、後光が差して見えることがあったから、おそらく今世どころか、前世でもかなり徳を積んでいる。まあ、太陽とか光をバックにした姿を見て、私が勝手に心の中で拝んでいただけだけど。

 

 

私は彼を真似して、人に扉を開けるようになった。あの自然な動作に、ちょっとは近づけただろうか。

 

 

そんな彼が"strange"ということがあった。フィンランド人である。この世には、シャイなフィンランド人とシャイじゃないフィンランド人がいる。彼はとてもシャイなフィンランド人のことを"strange"と表現していた。あんなに社交的なフィンランド人がいる中で、なんで彼らはあんなにソーシャルじゃないんだ?と私に聞いてきた。

 

 

外国人慣れしていない、初対面のフィンランド人のイメージはこうだ。

こちらが話している間は、無表情でこちらを見つめるだけ。話が終わって、この人話わかってくれたのかなと心配になったあたりで、無言で頷く。そして、かなりの時差で、突然こちらの質問に答え始める。そこで、「ああ、ちゃんと聞いてくれていたのだな」とこちらは理解する。たぶん、めちゃくちゃ真剣に聞いたことを考えてくれてたのだと思う。

 

さらにシャイなフィンランド人になると、たぶん英語話者を避ける。

私もどちらかというとそちら側の人間なので、気持ちはよくわかる。

 

でも確かに、N氏のような社交的な人からしたら、そういうフィンランド人はかなり不思議な感じがするのかもしれない。私から見て、シャイだなと思うレベルは、たぶん社交的な人から見ると、鳥肌立つくらいシャイなのだ。それは、N氏のシャイと呼んでいい範囲を超えてしまったに違いない。だから、N氏は"strange"と表現したのだろう。

 

真面目に聞きすぎているせいで、にこやかさはないし、それどころかめちゃくちゃ無表情な彼らをとっつきにくいと感じてしまうのは仕方ないかもしれない。私も、最初そう感じた。でも、相手にしたフィンランド人の数が増えてくるにつれて、そういうものなのだと理解した。

 

 

そもそも考えてみてほしい。

シャイってことは、初対面にして、人に対して剥き出しの感情を出しているということだ。社交的な人は、表面を取り繕っている可能性があるが、シャイな人はそれがない。それができたら内気ではないからだ。だから、シャイな人の方が仲良くなれば、とても信頼できる友人になる可能性は高いと私は思う。

 

 

だから、あの優しいN氏が、一部のとてもシャイなフィンランド人を"strange"を表現したのは、不思議な気がしている。それなりに仲良くなれば、全員とは言わないまでも、彼らの多くがとても親切であることはわかろうものだ。N氏は、「あの人は全然喋ろうとしない、おかしい」とプンプンしていたけど、それが文化の違いというものではないのだろうか。私は、そのベルギー人の友人の感性に対して、カルチャーギャップを感じて、面白いなと感じてしまった。

 

 

 

 

つまり、あれです。

この回は、フィンランド人の内気さを語る記事に見せかけて、ベルギー人の友人との間に感じたカルチャーギャップを楽しむ回でした。

 

 

それでは〜。uuuu!! simaaa!!!