お世話になります。
うう。しまああです。
かのOlaus Magnusは、著書『北方民族文化誌(1555年)』の中で、北欧のツバメについて、こう描写している。
さまざまな自然界のことを書く者は、ツバメが滞在地を替えること、すなわち、そろそろ冬になりかけた頃、もっと暖かい地方へ彼らが移ることを記録に残しているけれども、北方の河川では漁師たちがツバメの大群を水中から引き上げることがよくある。
(『北方民族文化誌』オラウス・マグヌス著 1555年 谷口幸男訳 渓水社 p.446)
こういう翻訳本は少し難解だ。特にこの本の原本はラテン語なので、さらに難解な気がしてくる。
ならば、文字は読むまい。フィーリングで行こう。
そして、阿呆な私は挿絵を見て、こう理解した。
北欧では、冬に氷の下からツバメが獲れるに違いない。
私は思った。
これは確かめる必要がある、と。
冬のある日。
私はとあるフィンランド人の助けを借りて、氷に穴をあけた。
そして、そこに糸を垂らした。
いわゆる、釣りである。
氷を割って、網でツバメを獲るのは難易度が高いので、釣ることにしたのだ。
そのとあるフィンランド人というのは、オウル大学で日本語を勉強していた学生で、大学の日本語の先生を通して、もしIcefishingに興味がある日本の留学生がいたら、連れて行ってあげると募集をかけていた。
私は良い機会だと思って、頼むことにした。
icefishingは日本で言うところのワカサギ釣りだ。氷に穴を開けて、そこから釣るので、icefishingと言う。フィンランドでは、icefishingが競技となっていて、そのフィンランド人の女性は、競技用icefishingグッズを持参していた。
多分フィンランドではワカサギは釣れないが、代わりに、ツバメが釣れる可能性がある。ツバメが釣れるかと思うと、ワクワクが止まらない。
私は、ワカサギ釣りも何度かしたことがあるので、icefishingも慣れたものだった。
餌は、日本みたいにウジ虫だったと気がしたけど、何で釣っていたのか、よく覚えていない。
どれくらいの時間、釣りをしていたのかもよく覚えていない。
でも、どれだけ長いこと釣りをしても、なぜか、ツバメが釣れる気配がない。
でも、日本では見ない魚がたくさん釣れた。
日本では、ツバメは釣れると聞かないが、これだけ珍しい魚が釣れるということは、フィンランドでツバメが釣れるのでは?と期待が持てた。
ならば、2回目である。
つ、つれない。
不思議である。
なぜ釣れないのだろうか。
考えてみると、理由はたくさん思い浮かんだ。
- 私が釣っている場所にはツバメがいない。
- ツバメは釣りでは釣れない。
- 使っている餌がツバメ用の餌ではない。
- 昔は水の中にいたが、今は何らかの理由で水の中に生息しなくなった。
- オラウス・マグヌスが嘘をついた。
いや、待て。
色々疑う前に、元の文献に戻るべき時ではないだろうか。
色々見逃している可能性しか感じない。
北方民族文化誌をもう一度読んでみる。
上の引用部分の続きだ。
ツバメたちはくちばしとくちばし、翼と翼、脚と脚をくくり、川に沈められる。というのも、その時期になると、甘美な歌をうたった後、このように沈められ、そして春の訪れとともに無事に水から飛び出し、古巣を探したり、生まれつきの習性から新しい巣をつくることはよく知られているからである。
(『北方民族文化誌』オラウス・マグヌス著 1555年 谷口幸男訳 渓水社 p.446)
ちょっと何を言っているのか、よくわからない。
が、どうやら、ツバメを川に人工的に沈めていたらしきことが書いてある。
つまり、あれだ。
ツバメが釣れなかったのは、昔のように、ツバメをくくって、水の中に沈めるという習慣がなくなったからに違いない。
古くからの慣習はいつの間にか失われてしまったのだろう。
悲しいことである。
まあ、いいか。
おさかな、いっぱい獲れたし。
オレンジ色のヒレ、緑のボディのちょっと毒々しい見た目の魚はAhvenという、フィンランドではメジャーな魚だ。そして、美味しい。そして、驚くほど、身と皮が剥がれやすいので、捌くのがラク。
この魚の名前を聞くたびに、Ahvenanmaaという島の名前の由来はAhvenなのだろうかというどうでもいい疑問が頭に浮かぶ(フィンランドとスウェーデンの間にある、スウェーデン語が公用語の島。新渡戸稲造の像があるよ)。
私が教わった、この魚のおすすめの食べ方は、輪切りにしたレモンとテキトーに切った玉ねぎを、テキトーに並べた魚の上にのせて、塩をかけて、オーブンで焼くこと。この調理方法で食べたら、めちゃくちゃうまくて感動した。もちろん、全部食べた。
汚い写真も残っていたので、載せておこう。
昔はツバメ、食べてたのかなあ?
まあ、うまそうだよね。
それでは〜。uuu!! simaaaa!!