記憶の中のフィンランド

フィンランド留学時代の記憶を元に。アフィリエイトでガッポガポ作戦。

留学の話② 〜留学準備編〜

お世話になります。

うう。しまああです。

 

 

突然ですが、英語は好きですか?

私は嫌い。めちゃ嫌い。こんなに報われない言語もないのではないか。

 

考えてみてほしい。

頑張って勉強して、英語が話せるようになっても、アメリカ人も、イギリス人も、あるいは他のあらゆる国の人々の多く(日本人を除く)は、英語を話せる人を見ても、特に何の感動もない。むしろ、英語圏では、英語を話せないことを明確に伝えないと、「なんだこいつは?」くらいに思われてしまうことも多いような。

 

次に日本語を綺麗に操る外国人を思い浮かべる。

すげーってならない?

話してくれるだけで嬉しくならない?

それが、メジャー言語とマイナー言語の差だと思う。

 

フィンランド語も勉強するだけで、フィンランド人は喜んでくれる。なので、フィンランド人の友達が欲しいなら、フィンランド語を勉強することはとても大事。

 

 

 

でも、好きか嫌いかと、努力するかしないかは、別の話。影響はするだろうけどね。

必要だと思えば、やればいい。

 

私にとっての英語はそんな感じ。

 

留学準備というと、英語の勉強だと思う方も多いかもだけど、ここでは英語の勉強については触れない。というか、英語は得意ではないので、触れられない。

 

留学に必要な英語の勉強の仕方は、私よりウンと優れた方々がいるので、その方たちに聞けばいいと思う。私は英語が好きではないので、「必要だと思うだけやるしかない」くらいしか言えない。ただし、英語が苦手な人にとって、英語は常にネックになるとだけは覚えておいてほしい。うへえ。

 

 

というわけで、留学準備編。

 

あ、一応最初に、私が行ったのは1年間の交換留学だということを伝えておこう。

 

交換留学に行くまで、私は海外へ1人で行ったことすらなかった。英語の会話も授業だけ(日本で留学生と一緒に受けられる授業があった)。あと、昔の資料を見るまで忘れてたけど、日本語混じりのESSサークルにも所属していた。そんな私なので、当然のように、留学準備に苦戦した。

 

英語のスコアを取るのは難しいことではなかった。勉強しなければいけないという意味では難しいけど、やり方がわからないという難しさはなかった。みんながやっていることだから、どこにでも情報があった。あとは勉強するだけ。そういう受験作業的なことは慣れていた。大学入試に受かったのだから、お手のものだ。

英語苦手だから、大した点数は取れないけどね。

 

難しいのはその先。

 

普段は頼れる親も、留学に関しては全く経験のないせいで、言い方は悪いけど、全然役に立たない。留学担当部署は私のキャンパスとかなり離れたところにある(片道4-5時間かかるところに行けるかよ)ため、相談もしにくい。おかげで、これが地方(私のキャンパス)と都市部(本学キャンパス)の情報格差か、と早い段階で悟りを開くことができた。

 

書類審査と面接審査のためにやることは動機の肉付けだ。というか、私の場合、欲望しかなかったから、肉付けどころか骨づくりから始めないといけなかった。

 

大学の提携校を調べて、提携大学の授業内容をネットで検索して、英語とフィンランド語で書かれた授業内容を予想しながら、自分が受けたい授業をピックアップするという面倒な作業。今みたいにネットの翻訳能力も高くなかったし。

 

ついでに、その授業内容と自分の将来の研究を無理やり絡めなければならない。私は自分の専攻分野が強いかどうかで大学を選んだわけではなくて、私が行きたい国で大学を選んだから、それはもう面倒だった。最終的には、「だって行きたいんだもん」で押し通す訳だけど、準備段階でそれをしてしまうと、落ちる可能性がある。

 

留学申請書類に妄想で授業内容を付け加えていって、それを学部にいた外国人の先生に見てもらって、推薦書を書いてもらう、という作業に忙殺されて、気がつけば日にちが経っていた。全てが初めて過ぎる上、見慣れない英語の羅列が呪文みたいに見えるせいで、一つ一つにめちゃくちゃ時間がかかった。

 

英語ずっと見てたら、ハリー・ポッターばりに、文字が空中に浮き出して見えてくるから、その時は寝ることをオススメする。その時使う睡眠の呪文は、アバダケダブラである。よく使うので、覚えておくと良い。

 

 

そんなこんなで、大学内の交換留学の面接に突入。

人生2回目の面接(1回目は超短期留学的な何か)。私は緊張しまくった。

それまでの準備で覚えた呪文を、胃でごちゃ混ぜにした状態で口から吐き出した私を、

「何言ってるかわからないけど、熱意だけは伝わる」

と評した面接官の言は、あまりにも的確だった。直前まで詰めるだけ詰め込んだ私の消化不良の塊は、人が見れるようなものではなかった。それでも、熱意だけでも汲み取ってくれたのは、ただただ人徳の成せる御業でしかない。

 

落とすような面接ではなかったためか、無事面接審査を通った私は、ついに、留学の本準備を始めた。

 

そもそも、海外に行く=ビザが必要、だと思い込んでいた私は、私に必要なものがresidence permit(在留許可)だとわかるのに、結構時間がかかった。正直、初めてだと、ホームページを見てもよくわからないので、大使館に電話して、「英語がわからないので、日本語話せる人を」と出してもらって質問する、というような、お前まじで留学して大丈夫か、みたいなことを何度もやった。そんな奴が現地行って、人と会話できるのか、甚だ疑問だった。

 

そして、フィンランド大使館とフィンランドの移民局のウェブサイトを解読すること、数週間。

finlandabroad.fi

 

migri.fi

 

私はやっとのことでresidence permitに必要なものを理解した。

記憶が正しければこんな感じ。

①受け入れ先大学からの留学許可(eメールで届いた)

②パスポート(作った)

留学保険(結構金かかる)

④残高証明(登録してある支店で発行)

⑤電子申請(写真もいるよ)

⑥大使館訪問(本人確認と指紋登録)

 

 

大変なのは、①、③、④、⑤、⑥。

つまり、私にとっては、ほとんど大変だった。

①受け入れしてくれないんじゃないかとドキドキする。全然ワクワクしない。

③父親がクレジットの付帯保険で大丈夫だろ、と言い始めて、補償金額が足りなくて、結局新たに保険契約する羽目になる。料金が結構高い。

④残高証明と書いてあるから、よくわからず通帳のコピー貼っつけたら、大使館で銀行で発行してもらうんだよ、と指導される。

⑤とにかく英語が多くてわからない。入力内容が合っているのかもわからない。なので、入力したものを何度もプリントして見直した。

⑥大使館訪問も意外と大変。私は大使館、水曜日だけやっていると聞いたような気がしたが、今見ると、完全予約制とある。あの時の私は予約したのだろうか。しかも、大使館は東京にしかない。地方大学にいた私の場合、飛行機代が無駄にかかった。

 

しかも、この期間に、受け入れ先の学生チューター(kummi student)からガンガン英語で長文メールがきて、ひえーとなる。ナーバスもナーバスだ。「こんな長文来ても、すぐ読めないし、全然返せないよ〜。」と思ってた。

 

(相手からのメールの最初の挨拶)

 

Hello you all!

 

I'm your kummi. The one who is going to help you during your stay in Finland.

I hope you can send me an email or message on Facebook. (Here is my profile:marumarumarumaru) And if you want, and have an account you can send me an friend request.


I would like to know when you are coming to Finland and do you have an apartment yet. :)

 

Best regards,

marumarumarumaru

 

頑張って返信(6日後)↓

Hello marumarumarumaru,

I'm うう。しまああ。. I'm going to study at University of Oulu as a exchange student.
I'll tell you the time of arrival and apartment I rent.
 
time:
I'm going to go Finland on 5th of January by plane.
The plane will arrive at 18:05.

apartment:
And my apartment is at Yliopistokatu ▲▲, 90570 OULU (rented from PSOAS).

I'm looking forward to seeing you.


Best regards,
うう。しまああ。

 

今見ると、かてぇ文面だな。

 

(2日後)

Hello!

 

Thank you for your answer and I sorry that my reply took so long. I've been really busy with my study and work.

 

Nice that you are coming then! Most of my kummigroup is coming during those days too. And it is really good that you have rent an apartment. I actually live on the same street and the uni is across the street. I can help with the keys, I can deliver them to you when you come here.

 

Here is something about me: It's my 4th year studying biology. I'm specialized in genetics and I should have done my bachelor thesis, but I'm a bit lazy. I'm quite outgoing person and but reading a good book would be nice too (nowadays I don't have time, unfortunately.). I have lived here in Oulu 3,5 years now, but originally I'm from Southern Ostrobothia which is about 350 km south from Oulu.

 

how about you? I know that you are studying biology but how long have studied and are you specialized in anything? Have you been in Finland before?

 

And if you have Facebook, add me as your friend. I'm planning to make a group to all in my kummigroup so we can talk there together!

 

And if you have anything on your mind, don't hesitate to ask! I will answer all of your questions and if I can't I will find one who can!

 

I'm really looking forward to see you!

 

Best regards,

marumarumarumaru

怒涛の英語の羅列に私は死んだ。
っていうか2日後返信で謝らないで。私が死ぬ。
そして相手から溢れ出るめっちゃいい人感。

 

 

そんなこんなで(2度目)、

気がついたら、時間も無くなっていて、行く前に何度も「もう行けないんじゃないか」と思った。多分頭いい人はここまで躓かないのだろうなあ、とか思っていると余計悲しくなった。

留学の話を書く人はいても、留学準備のことを書く人は中々いないから、ここまでしんどいとは正直思ってなかった。

 

どれくらいしんどかったって、

敵か味方かわからないムーヴメントをする肉球クマさんに、仲間を散り散りに飛ばされ、「俺は弱い」と認めざるを得なかった主人公くらいしんどかった。

 

まあ、苦しんだ末に、出発1、2週間前くらいに私はresidence permitを手に入れた。ギリギリである。

 

現地で住むアパートの手続きの方がよっぽど早かった。たしかアパートの前金だかで、海外送金をしたのだけれど、待ってる間、銀行の良いソファに座れる。なんだか偉い人にでもなったかのような良い気分になれるので、皆さんも海外送金すると良いと思う。もちろん錯覚だけど。

 

しかし実際、ワンピ◯スではないが、留学は修行に近いものがある。大体一年間の修行を経て、心を病むか、メンタルお化けになって帰ってくる。そして、日本で留学先とのギャップに苦しむ。そこまでがセットだ。

 

私はすべてを経験した。

 

...かもしれない。

 

 

しかしまあ、書き起こしてみて、気付いたけれど、

私、どんだけフィンランドに留学したかったんだ!?

すげーわ。尊敬するレベル。

 

 

それでは〜。uu!! simaaa!!